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松本清張没後20年特別企画。松本清張ドラマ「疑惑」感想。 [ドラマ]

松本清張没後20年特別企画第3弾「疑惑」

映画とも、過去のテレビドラマとも違っていましたね。

一番の違いは、時代設定。

携帯電話を使う登場人物には、ちょっとびっくり。


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常盤貴子扮する弁護士も、映画版の岩下志麻とはずいぶん違うキャラクターでした。

ドラマの主役は、旧姓・鬼塚で、名前が「クマ子」という、老舗のだんなをつかまえて後妻に入った女と、

夫が亡くなり、夫殺しで起訴された球磨子を弁護することになった女性弁護士。

旧姓と名前で“鬼クマ”とマスコミにバッシングされる球磨子。

多額の保険金が残されたことや、マスコミに対する態度、あぶりだされる過去、素行

周囲の評判からも、球磨子の状況証拠は真っ黒でした。


自転車で現場検証に乗り付けたりする今回の弁護士とは違って、

映画では、弁護士が、自分自身で車を運転しているときに、

コーヒーの空き缶がブレーキペダルの下にはまって、あわや前の車に衝突という

アクシデントから、あの、靴とスパナの工作を思いついたのです。


それが突破口になたのだから、車を運転しない弁護士は、

その工作をどのように思いつく設定なのかな?

と思いながら観ていました。


答えは、靴の傷でしたね。


あと、最後に法廷で、亡くなった旦那の孫が証言する場面がありましたね。

自分の誕生日にはおじいちゃんはいないかもしれないと言った、という証言で、

旦那は自殺だと判断されたのです。


これは、映画とずいぶん違います。


証言する子どもは、もう少し大きくて、

孫ではなくて子どもではなかったのかなあ?

少し記憶があいまいですが。

で、その子どもは、

「俺が球磨子を殺す。道づれにして自殺する。」と直接言われていたのです。

でも、それを証言してしまうと、球磨子が無罪になってしまう。


弁護士に真実を話すように促され、子どもは、搾り出すように

その真実を証言するのです。


それを聞いた球磨子は、

私を殺そうとして、自分が死んじまった、と、旦那を侮辱したように覚えています。


その、子どもの心情をあわれに思う気持ちと、真実を明らかにすることとの葛藤を、

この映画を観た人は、感じたはずです。


そこのところは、今回のドラマでは、掘り下げが、浅かったように思いました。


やはり、松本清張作品を映画化するなら、この人しかいないと言われていた

野村芳太郎監督の作品。

もう一度、観てみたくなりました。


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<松本清張原作の映画 セレクションはこちら>






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ちなみに、過去にも、テレビドラマ化されています。

松本清張ドラマ『疑惑』

松本清張生誕100年記念SPドラマ『疑惑』は、松本清張生誕100年を記念して2009年1月24日に

テレビ朝日系列で放送されたスペシャルドラマ。

03年には球磨子を“クロ”と扱い「鬼クマ」とあおる新聞記者・秋谷茂一を主人公にドラマ化、

82年には桃井かおり演じる球磨子を中心に映画化されている作品で、今作では国選弁護人・佐原卓吉役を

田村正和、保険金殺人容疑者の白川球磨子を沢口靖子が演じる。


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